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行政書士試験コラム|行政書士試験 短答式試験(択一式試験)の科目別攻略法

1 民法

「問題文の長文化・試験範囲の広範化」

 近年「民法」では,問題文の長文化傾向があります。そのため,一問あたりに費やす時間が他の科目に比べ増えがちです。「民法」で予定の時間を超えてしまい,問題を解くペース配分に苦しむ方が増えています。
 したがって,「民法」攻略のポイント1つ目は,問題の解き方を確立させ,解答時間を短縮する点にあります。
 次に,試験範囲の広範化傾向があります。従来は問われることのなかった論点からの出題があり,対策をすべき論点の数が確実に増えています。もちろん「民法」のすべてが分かる必要はないのですが,「解けるべき(準備すべき)論点とは何か」という視点を欠いた結果,学習量が膨大に増えてしまい,本試験までに準備が間に合わないという方が多くいらっしゃいます。
 したがって,「民法」攻略のポイント2つ目は,「解けるべき(準備すべき)論点」を明確にし,それらに集中的に学習時間を充てていく点にあります。
 「民法」は,論点ごとに「解けるべき」「解けなくてもよい」の大胆なメリハリを付けるために,また,解答時間圧縮のための問題の解き方を確立するために,問題演習をすることが重要です。

2 基礎法学

「手を広げないことこそ最高の対策」

 「基礎法学」からは,例年2問出題されます。「基礎法学」で問われる可能性のある分野は,あいまい不明確で,とにかく「法学」に関するありとあらゆること(例えば,法令が制定された年の順番を問う問題が出題されたことがあります)が出題されるのが特徴です。
 したがって,「基礎法学」攻略のポイントは,手を広げないことです。出題される2問のうち,1問は,過去の試験において出題されたテーマ(論点)を学習しておくことにより解答を導き出すことが可能なものが出題されます。これを確実に正解し,それ以上は追いかけないという姿勢が重要です。

3 憲法

「適度な距離感が大事」

 「憲法」は,「他の資格試験でも見かけるようなオーソドックスな問題」と「他の資格試験でも見かけないような変わった問題」の2つで構成されています。「前者を確実に正解し,後者は基本的に気にしない(正解したらラッキーという認識)という方針で『憲法』に取り組んだ」という話を多くの合格者の方から聞くことができます。これは,試験終了後の受験生のデータ集計の結果を見ても明らかです。
 したがって,「憲法」攻略のポイントは,「他の資格試験でも見かけるようなオーソドックスな問題」を確実に正解できるように準備をする点にあります。「他の資格試験でも見かけないような変わった問題」は,「こういうものも出題されるのか」程度にとどめておきましょう。「憲法」は,必要以上に深入りせず,「ここまで」という線引きをはっきりさせると取り組みやすくなります。

4 行政法

「過去問を制する者は行政法を制す」

 短答式において,「行政法」は21問(5肢択一式で19問,多肢選択式で2問)出題されます。点数に換算すると,240点満点中92点を占めます。行政書士試験において,「行政法」がどれほど重要かがよくわかる数字です。
 「行政法」の出題内容を検討してみると,多くの問題が「過去の試験において出題されたことのある論点」で構成されていることがわかります。すなわち,「行政法」は過去問の検討が何より重要であり,それが点数に直結しています。学問としての「行政法」は,難解な理論で構成される部分もあり多くの受験生が苦手意識を持つ科目ですが,ポイントを捉えて学習していくと,あっさり理解が進むことが多いです。
 ポイントを捉えた学習による理解のもと,過去問の検討を徹底的に行い,「行政法」を得点源としましょう。
※ 本講座においては,行政法の問題につき,行政不服審査法の改正により,影響を受ける問題は,原則として改題して対応しています。

5 一般知識等

政治・経済・社会

「出題範囲が不明確……なようで,対策は明確」

 一昔前の「一般知識等」の対策は,「『情報通信・個人情報保護』と『文章理解』で合格基準を満たせばよい」というものでした。しかし,「情報通信・個人情報保護」の問題数の減少,試験の難化傾向による試験時間内での一般知識等に充てられる時間の減少により,従来型の対策方針を維持することは難しくなってきました。
 このような状況の中,「政治・経済・社会」に対する評価が変わってきました。一昔前ならば「政治・経済・社会」と言えば,「対策がない」「傾向が不安定」「何をやっても無駄」などと散々な言われようでしたが,近年は出題傾向が安定してきました。具体的には,センター試験を始めとする大学入試の内容に似通ってきた印象です。
 傾向に沿った対策を行えば,「政治・経済・社会」も得点源にすることは十分可能です。そのために,まずは過去問の検討から行い,その傾向を掴みましょう。

情報通信・個人情報保護

「ご存知ですか?傾向が変わっています」

 「情報通信・個人情報保護」と言えば,「個人情報保護法」。その認識は,今後改めなければならないかもしれません。近年の行政書士試験では,「個人情報保護法」からの出題が年々減ってきているからです。
 その一方で,「情報公開法」や「公文書管理法」など,新しく出題されるようになった法令もあります。合格基準をクリアするうえで,学習の対象となる法令は正確に把握しておきましょう。
 傾向に沿った学習を行うことは,試験対策における鉄則です。傾向を正しく把握するためにも,過去問の検討は念入りに行いましょう。

文章理解

「甘く見ていると泣きを見る科目」

 試験全体を眺めてみると,近年1問1問の文章量であったり作業量が増えていることが見えてきます。文章量や作業量が増えるということは,1問ごとに要する解答時間が増えることを意味します。これにより,試験時間内で全問を解答することが難しくなります。
 このしわ寄せをモロに受けるのが「文章理解」です。「文章理解」は,最後の問題として位置づけられているからです。
 「文章理解」は,時間をかけて読み,正しく理解することができれば,正解を導ける場合が多いため,どれだけの時間を割り当てられるかが重要です。試験終了後の受験生のデータ集計結果を見ると,「文章量・作業量が少ない年=『文章理解』全体の正解率が高い」「文章量・作業量が多い年=『文章理解』全体の正解率が低い」という傾向にありました。
 このように不安定な科目であるにもかかわらず,「文章理解」には高いハードルが設けられます。極力満点を狙うことが求められるのです。これは,一般知識等に設定されている「合格基準」を確実にクリアするためです。
 不安定な科目であっても,確実に正解をしていく方法。それは,きちんとした解法を確立することです。「文章理解」にも準備が必要です。他の科目の準備に時間を充てた結果,「文章理解」の対策は後手に回りがちです。学習計画を立てる上で,「文章理解」の対策をすることを忘れないようにしましょう。

6 商法

「コスパが悪い科目,でも対策は単純明快」

 「商法」は学習範囲が広範で,各々の制度が複雑で難解です。それでいて,例年5問しか出題されないこともあり,受験生の多くが手付かずのまま本試験を迎えます。
 しかし,合格者のデータ集計を見てみると,「商法」のうち「過去の試験において出題されたことのある論点」で構成される問題の正解率は軒並み高くなります。すなわち合格レベルにある方は,少なくとも過去問の検討は「商法」であっても行う傾向にあります。
 私たちも,先輩合格者にならって,「商法」は「過去問の検討」をしっかりと行うこととしましょう。過去問の範囲外の論点に関しては,他の科目の進捗状況と相談しながら少しずつ行えば十分です。