国家総合職一次試験の攻略方法
国家公務員総合職(国家総合職)一次試験の全体像
国家総合職一次試験では,基礎能力試験(教養)と専門試験が,いずれも多肢選択式の問題で出題されます。配点割合は,2:3と専門試験の方が高くなっています。また,下記の表からもわかるように,平均点も低めなので,真剣に司法試験・予備試験を目指して勉強してきた方なら,ほとんど独自の対策をせずに,専門試験の成績で逃げ切ることができます。
ただし,基礎能力試験には,基準点(いわゆる肢切り点)があり,これに達しない場合には,不合格となってしまいます。
そのため,基礎能力試験で基準点を取ることが,一次試験突破のカギになります。
一次試験の基準点と平均点
科目 | 項目 | 院卒者試験 | 大卒程度試験 |
基礎能力試験 | 基準点 | 9 | 12 |
平均点 | 14.279 | 17.584 | |
満点 | 30 | 40 | |
専門試験 | 基準点 | 12 | 12 |
平均点 | 22.287 | 19.414 | |
満点 | 40 | 40 |
※院卒者試験,大卒程度試験ともに,配点比率を2:3となるように計算して合否を決定します。
基礎能力試験の科目と戦略
学習の中心は数的処理
基礎能力試験では,幅広い分野から出題される上,出題されても1問というコストパフォーマンスの悪い科目も多いです。そのため,無計画に学習していては,学習効果は望めません。
もっとも配点の高い数的処理を学習の中心に据えるべきです。数的処理は,数字を使ったパズル問題のようなもので,知識ではなく解き方を習得する必要があります。そのため,短期間で集中して学習するより,毎日少しずつ進める方が効果的です。
数的処理の正答率を50%まで高めることができれば,基準点に到達する可能性は飛躍的に高まります。ひとまず,50%を目指して数的処理の学習をしましょう。
また,英語は,文章理解の過半を占める上,点数の加算が受けられるTOEIC対策にもなりますので,大学入試レベルの問題集を1冊こなすなどするのもよいでしょう。
随所で役立つ時事も無視しない
時事は,一次試験での出題数自体は少ないですが,的を絞って勉強すれば,コストパフォーマンスは悪くありません。また,その知識は,二次試験の政策論文,政策課題討議のほか,面接や官庁訪問でも威力を発揮しますので,最新情報の揃う年明け以降に一気に詰め込みましょう。
科目 | 院卒者試験 | 大卒程度試験 |
文章理解(かっこは英語の内訳) | 8(5) | 11(7) |
数的処理 | 16 | 16 |
日本史 | 0 | 1 |
世界史 | 1 | 1 |
地理 | 0 | 1 |
物理 | 1 | 1 |
化学 | 0 | 1 |
生物 | 0 | 0 |
地学 | 0 | 1 |
政治経済 | 1 | 3 |
時事 | 3 | 3 |
合計 | 30 | 40 |